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歴史を残す坂の多い美しい街だが、空路または海路から入る以外に交通の便がないため訪れる人も少なく、アラスカの中心をアンカレジに奪われた格好だ。
近く州都は、アンカレジから北へ100キロほどの街へ移転されるとか。
アンカレジは1778年、C・Cが最初に錨(アンカー)をおろした史実が地名の由来となった州最大の街。
人口は約25万人。
市政がしかれたのは1920年で、アラスカの玄関口であり、観光の中心地にもなっている。
日本海流の暖流の影響で意外に温暖な気候だ。
夏の最高気温は摂氏30度くらいあり、冬の1月の平均気温も零下10・9度で、北海道東部並みだ。
夏の日照時間は最大19時間にも及ぶので、観光時間も長くとれて最適だ。
1990年頃までは、日本から欧州やアメリカの東海岸行きの航空便は、ほとんどがアンカレジに着陸して給油していた。
現在は航続距離が伸びて直行するから、アンカレジに寄港する便がない。
つまり日本からアンカレジへの直行便は1つもなく、ソウル経由の大韓航空が最も便利であろう。
というわけで、アンカレジは日本から遠のいた感じだから、観光客が激減したいまこそアラスカ訪問のチャンス、といえるかもしれない。
数奇な運命をたどったアラスカの歴史は、まことに興味深いものだ。
先住民族のアリュート族、エスキモー、インディアンなどは、一万数千年も前に、かつて地続きであったベーリング海峡を渡って、アジアから移住してきたモンゴロイドの子孫だ。
海岸地帯あるいは内陸方面である。
デンマーク出身のロシアの探検家V・Bが16年間にわたる踏査の後、1741年、アラスカに上陸して内陸に足を踏み入れた。
やがてロシア人による植民地建設、ロシア領アメリカとなり、この間、アリュート族がひどい迫害を受けた。
1867年、アメリカがわずか720万ドルでロシアから買収したことは、あまりにも有名な話だ。
買収に力を尽くした国務長官が、「無駄な失費だ」「Sの暴挙」とののしられ、挙げ句の果てに「アラスカはSの冷蔵庫」と非難された。
一方、ロシア側は「遠くて金のかかる辺地」を予想以上の金額で売り払って喜んでいたのだから、その後の車事上、交通上、また天然資源の開発などからの重要性を考えてみると、まるでおとぎ話のようだ。
「先見の明」という言葉は、S長官のためにあるといっても決して過言ではないだろう。
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